日本チャンキー協会が技術ゼミ 現場担当者ら約250人が参加

約250人が参加した第107回技術ゼミナール

日本チャンキー協会(会長=吉原洋明日本ホワイトファーム㈱社長―事務局・㈱日本チャンキー内)は9月12、13の両日、福岡市中央区のタカクラホテル福岡で第107回技術ゼミナールを開き、会員企業の代表者や現場担当者ら約250人が参加した。

㈱イシイの平稔氏が司会を務めた1日目の冒頭、北海道胆振東部地震への対応により欠席した吉原洋明会長に代わり、あいさつした山上祐一郎種鶏孵卵部会長(㈱福田種鶏場社長)は、前回4月の技術ゼミ以降、大阪北部地震や西日本豪雨、記録的な猛暑、台風の襲来、北海道胆振東部地震などの自然災害に見舞われたことに触れ、「我々の養鶏業が自然との戦いであることは重々承知しているつもりでも、これほどまでの過酷な自然に対しては恨めしく思うことも多々あったと思う」とし、被災者へのお見舞いの言葉を述べて一日も早い復興を祈念した。

また、今回のチャンキーミッション(海外視察研修)で訪問したオランダについて、日本と並ぶ自然災害大国でありながら、日本と対照的な柔軟性と弾力性を育み、農業機械部門で世界をリードしていることや、働き方改革でも学ぶ点が多いと紹介。さらに『艱難汝を玉にす』という格言について「『艱難』とは困難のこと、『玉にす』とは人間が磨かれることで、逆境は人間を強くするという言葉である。今年は自然災害が多いだけでなく、鶏肉相場も低調だが、こんな時こそ逆境から教訓を引き出して、組織や個人を強くしていくことに力を注がなければいけないと思う。今、我々が直面している『艱難』を乗り越えてブロイラー業界がより強い『玉』になったと言われるように、今回の技術ゼミが皆様にとって実りあるものになることを願う」などと述べた。

㈱日本チャンキー営業部技術課の和久健太氏は「実績調査結果の分析と種鶏ハンドブックの変更点」と題して報告。2016年(1~12月)にえ付けした40事業所・306鶏群(約372万羽)の種鶏の成績と、17年に出荷した約1億3700万羽のブロイラーの成績、種鶏ハンドブックの変更点について、①種鶏では特に後半の産卵持続性と孵化率が大きく改善された②ブロイラーでは日増体とFCR(飼料要求率)が引き続き改善された③種鶏ハンドブックでは設備、種鶏・種卵管理、栄養面など多くの項目で情報を更新。既知の情報についても、より分かりやすいように写真、図、表を追加した。年内には日本語版を配布する予定――などと紹介した。

優良会員の取り組みでは、㈱十文字チキンカンパニー生産部種鶏孵卵課の中戸鎖勝成氏が種鶏の成績向上への取り組み(5%産卵を遅らせる、ピーク産卵を上げる、受精率を上げる)、プライフーズ㈱生産製造本部生産部CS管理室の佐々木綾香氏がブロイラーの成績向上への取り組み(設備更新による空調・衛生面の改善、インテの強みを生かしたひな質の改善、現場目線での飼料内容の見直し)を報告した。

JCAミッション報告では、㈱山形種鶏場の山形圭紀氏が今年6月19日から28日までの日程でオランダとスペインを訪問した海外視察研修の概要(オランダ・ユトレヒトのVIVヨーロッパ2018、種鶏農場とアエレスカレッジ農場、ヤンセン社、エビアジェン社プレゼンテーションとスペインの孵化場・原種鶏農場の建設現場、畜産処理・食品加工施設、アムステルダムとバルセロナの流通市場)を紹介した。

日本ホワイトファーム㈱の戸髙操氏が司会を務めた2日目は『省力化』をテーマにディスカッションを行ない、㈱日本チャンキーの森川敦夫氏の司会で㈱ヤマモトの山本善則氏、㈱イシイの木之下順一氏、㈱大宮製作所の清水哲也氏、㈱中嶋製作所の樋本清一氏、㈱ホソヤの田中清隆氏、東西産業貿易㈱の朝倉裕考氏が、省力化に貢献する養鶏機器を紹介した。

「鶏肉を介した食中毒の低減に向けた取り組み~農場での取り組みを中心に~」のテーマで講演した農林水産省消費・安全局食品安全政策課の鋤柄卓夫氏は、国内外でカンピロバクターによる食中毒に苦しんでいるとし、イギリスやデンマークでの取り組みを紹介。国内でも個々の農場で衛生対策を効果的に行なえば、農場で食中毒菌を減らせる可能性があり、効果的な実施条件などを検証する必要があることなどを指摘した。

同協会広報部会の松本弘文氏(㈱松本鶏園社長)が「今までの飼養管理だけでなく、我々が取り組まなければいけない課題について、いろいろな提言があったと思う。この技術ゼミで得た情報を各社が持ち帰り、日々の業務の一助にしてほしい」などと閉会あいさつを述べて、2日間の日程を終えた。