日本コッブ会解散へ

今回が最後の開催となった日本コッブ会の通常総会

日本コッブ会(会長=甘竹秀企㈱アマタケ社長、事務局・伊藤忠飼料㈱種鶏部内)は4月17日、東京都豊島区のホテルベルクラシック東京で通常総会を開き、平成30年度事業報告・会計報告、31年度事業計画・予算案などの各議案を原案通り承認し、松阪コッブファーム㈱での国産コッブ種鶏の販売を今年(令和元)年9月で中止することが決まったため、今総会での「日本コッブ会」解散を決めた。

総会の冒頭あいさつした甘竹会長は、日本が人口減少によって劇的に変化していく可能性について「日本の総人口は2008年をピークに減少に転じ、2018年は前年比約26万人減の1億2644万人で、30年後には85万人減、30~50年後は年平均100万人減が予想されている。これに伴い、働く人の確保が難しくなり、食べる人が減っていくため売れる量が減少する。働く女性の社会進出の増加で料理する人も減り、人口減で国力も減少するため海外からの雇用確保という面でも難しくなる可能性がある。これらの変化は待ったなしで、知恵を出して対応していかなければならない。コッブは1967(昭和42)年にコッブジャパン㈱を設立して以来、52年間頑張ってきたが、最近のコッブは日本のマーケットニーズに合っていなかったため、国産コッブの販売を今年9月で中止し、日本コッブ会を解散することとなった。誠に残念であるが、マーケットニーズに対応することがいかに大事かを示している。またいつかコッブ会で会えることを期待したい」などとした。

9月で国産コッブから撤退 伊藤忠飼料・藤嶋社長

伊藤忠飼料㈱の藤嶋照夫社長は、コッブの歴史と、ここ数年の日本でのコッブ種鶏販売に伊藤忠飼料グループとして格闘してきた歴史を振り返り、今回の日本コッブ会解散に至った経緯を説明。これまでコッブを支えてきたベストカスタマーや会員にお礼を述べた。藤嶋社長のあいさつ要旨は次の通り。

コッブは2002(平成14)年頃には日本国内のシェアが50%前後に伸びたが、コッブの親会社であるタイソン社が2003年に、英国と米国にあった育種拠点を米国に一本化して以降、シェアの下落が始まり、一時回復の兆しもあったが、種鶏の性能(ひな数)の差が指摘された最近は、50万羽の大台を割り、コッブ・バントレス社とのジョイントベンチャーにより事業を継続できるように試みてきた。

〝敗軍の将は兵を語らず〟であるが、それでも、ブロイラーの成績には遜色がなく、種鶏の成績で差があることから、コッブ・バントレス社に種鶏の性能改善をお願いしてきた。鶏種を維持したいと頑張ったものの、種鶏性能の急速な改善は難しく、会員の皆様に今年の国産コッブの販売協力をお願いしたが、注文が30万羽を切る見込みとなったため、残念ながら9月末での撤退を決意せざるを得なかった。当面は、伊藤忠飼料の飼料事業統轄部にてコッブ種鶏の性能改善の進ちょくや、情報の収集、技術的な協力を行なっていきたい。