新刊紹介『まるごとわかる タマゴ読本』 渡邊乾二著

渡邊乾二氏(タマゴ科学研究会理事、岐阜大学名誉教授、農学博士)の新刊『まるごとわかる タマゴ読本』【写真右】が8月30日、(一社)農山漁村文化協会(農文協)から発行された。

渡邊氏は、「食卵の科学と機能」などの著書がある食品科学者。本書では、専門領域を超えて卵を多面的に捉え、タマゴにまつわる広範な知識を一冊にまとめている。

第1章「日本人はなぜ卵かけごはんが好きなのか?」では、江戸時代中期の料理本に、卵かけごはんに近い献立が載っていることや、池波正太郎が描く〝鴨肉入り生卵のぶっかけ飯〟など、様々な文学作品に登場する卵の生食を紹介。

第2章「生命を育み、社会を動かす卵」では、白レグの名前の由来はイタリアの港にあることや、中世の卵食、江戸市中に鶏卵問屋があったこと、明治期の進物のリストに「寒玉子」が登場することなどを紹介。

第3章「長生きの人たちが毎日食べている卵」では、コレステロールは生命維持に不可欠なことや、摂取量と血清値の関連にかなりの個人差があること、1日3個分の卵黄を摂取して血清値が下がった人の割合が3分の2に上った試験結果もあるなど、疫学調査からは卵黄コレステロールを悪玉とは説明できないこと、現在でも血清値が高い人は摂取をある程度控えるのが望ましいとされていること、卵を毎日25個ずつ食べ続けて88歳まで元気に過ごした男性の研究事例、世界最高齢だった女性の卵食習慣などを解説。卵に豊富な栄養素や、それらの健康機能についても触れている。

第4章「七変化する卵」でも、古今東西の様々な卵料理を収録。

第5章「未来へつなぐ卵食文化」では、未来の地球を救うことも可能な卵のポテンシャルの高さと、そのための課題、「デザイナーエッグ」や生物工学の応用など、タマゴ研究・開発の最前線についてまとめている。

A5判、205ページ。税抜き定価1800円。購入は書店または農文協(http://www.ruralnet.or.jp/)へ。