新価値創造展にワクモスやワクモス堆肥を出展 愛媛の四国ケージ 

井川茂樹社長㊥と井川智子マネージャー㊧が『循環型社会』実現への取り組みをPR

養鶏設備メーカーの四国ケージ㈱(井川茂樹社長―本社・愛媛県四国中央市)は、自社製品を通じた鶏糞のニオイ低減策や、環境保護への取り組みを広くPRしようと『新価値創造展』(会場=東京ビッグサイト、会期11月27~29日、〈独〉中小企業基盤整備機構が主催)に初出展した。

同社主力商品のワクモ捕虫器『ワクモス』は、ホウ酸を含む厚紙で酸化鉄を包み、そこから発生する熱などでワクモを誘引して捕らえ、殺虫につなげる小型器材。多数のワクモスをケージの天面や床などに設置するのが一般的で、井川社長は利用者(主に採卵養鶏場)に対し「使用後はそのまま堆肥舎やコンポストに入れ、鶏ふんと一緒に撹拌・発酵させると良い。酸化鉄はもろいため粉砕でき、鶏糞のアンモニアと結合することで悪臭を抑えられる。『ワクモス堆肥 鉄ってすごいね』として販売しているお客様もいる」と推奨している。

さらに同展では、コーヒーかすを加えた『ワクモス堆肥 コーヒーってすごいね』の取り組みもアピール。コーヒーかすは、ナメクジ忌避などを目的に耕種農業や園芸で少量を撒く場合もあるが、植物の成長阻害につながるカフェインとポリフェノールが含まれるため、堆肥化には一定の技術が必要とされる。井川社長と井川智子マネージャーは鶏ふんへの配合率や、混ぜ込む原料などを試行錯誤して堆肥化に成功し、通常の『ワクモス堆肥』以上にアンモニア臭を低減できたと紹介した(製造特許申請中)。

現在は四国の鶏卵生産企業1社との取り組みだが、今後は喫茶店やカフェ、養鶏場との連携の輪を広げたいという。両氏は来場者に「コーヒーかすは業務用だけで年間約60万トンが発生するとも言われ、業界の大手企業や、コーヒーチェーン、個人店などが何とか使い道を模索している状況。SDGs(持続可能な開発目標)の面からも、当社が鶏ふんとコーヒーかすの問題解決に少しでも貢献できればと思う」との方針を伝えていた。