採卵鶏は発酵で87.3% ブロイラーは焼却、堆積発酵で74.1%

家畜排せつ物処理状況 平成31年4月1日現在

農林水産省生産局畜産部畜産振興課は、このほど家畜排せつ物処理状況等調査結果(平成31年4月1日現在)を公表した。同課が家畜排せつ物管理の実態を把握するため、処理の主体や方法などについて都道府県の協力を得て調査したもので、平成21年に次いで今回が2回目。

今回の調査による調査件数は4万1733件【表1】。これは令和元年12月1日現在で実施した「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」の施行状況調査結果における管理基準適用対象農家戸数である4万4077戸の94.7%をカバーしている。

4万1733件の畜種別調査件数割合は、肉用牛が49.9%で1位、次いで乳用牛の30.9%、豚8.1%、ブロイラー(地鶏等を含む)6.9%、採卵鶏5.5%、馬2.2%の割合となっている。

経営形態別にみる家畜排せつ物処理の状況【表2】では、ブロイラー経営を除く経営形態では、経営内処理が8割以上を占めていた。ブロイラー経営では経営内処理が41.7%、外部委託が27.3%、共同利用施設処理が19.8%、産業廃棄物処理が11.2%で、他の経営形態と比較して経営内処理の割合が少なく、外部委託や産業廃棄物処理の割合が高かった。

なお、採卵鶏経営は経営内処理が83.1%、共同利用施設処理が10.4%、外部委託が5.6%、産業廃棄物処理が0.9%であった。

家畜排せつ物の糞(ふん)と尿の分離状況は、採卵鶏とブロイラーはすべてが「ふん尿混合」で、乳用牛、肉用牛、馬は「ふん尿混合」、豚は「ふん尿分離」が主体となっている。

採卵鶏の「ふん尿混合」処理の方法は、堆積型発酵35.3%、開放型強制発酵29.0%、密閉型強制発酵23.0%で、3種の発酵で87.3%を占める。このほか、天日乾燥4.1%、焼却処理2.9%、産業廃棄物処理2.0%、1か月以内と1か月超の貯留が各1.1%、火力乾燥0.9%、炭化処理0.2%、メタン発酵0.1%、その他0.2%の順。

ブロイラーの「ふん尿混合」処理の方法は、焼却処理46.8%、堆積型発酵27.3%で、上位2つで74.1%を占める。開放型強制発酵9.4%、産業廃棄物処理5.8%、1か月以内貯留2.3%、密閉型強制発酵1.4%、1か月超の貯留1.3%、炭化処理0.9%、天日乾燥0.8%、火力乾燥とメタン発酵が各0.3%、その他3.5%の順。

乳用牛は堆積型発酵が45%を占め、強制発酵と合わせると57%が発酵処理。このほか、貯留が32%、メタン発酵が約6%。

肉用牛は堆積型発酵が77%で、強制発酵と合わせると92%。

豚は堆積型発酵が52%で、強制発酵と合わせると75%。このほか浄化後放流処理が12%となっている。

馬は堆積型発酵が80%であった。

家畜排せつ物処理状況等調査結果