採卵養鶏は59.4%減、ブロイラー養鶏は12.6%増 平成30年農業所得

農林水産省が12月6日に公表した農業経営統計調査「平成30年営農類型型別経営統計からみた1農業経営体当たりの経営状況(推計)」によると、1経営体当たりの採卵養鶏(65経営体平均)の農業所得は59.4%減の781万4000円、ブロイラー養鶏(57経営体平均)の農業所得は12.6%増の1522万4000円となった。

また、「平成30年個別経営の経営収支」によると、採卵養鶏とブロイラー養鶏の個別経営体(世帯による農業経営体で、法人格を有する経営体を含む)の経営概要は次の通り。

採卵養鶏

1経営体当たりの採卵養鶏(50戸平均、1万羽未満23戸、1~3万羽14戸、3万羽以上13戸)の月平均採卵鶏飼養羽数は前年比1.7%増の1万5036羽、鶏卵生産量は1.0%増の254.644トン、自営農業労働時間は1.8%増の7241時間。

経営全体の畜産収入は6.5%減の4924万1000円。このうち鶏卵の収入(成鶏を含む)は6.5%減の4897万5000円。

農業経営費の合計は6.9%増の4845万6000円。このうち飼料費は4.3%増の2969万5000円で全体の61.3%(前年62.9%)、動物費(ひな代や若めす代含む)は6.6%増の498万8000円で全体の10.3%(同10.3%)。この2費目で全体の71.6%(同73.2%)を占める。

▽生産コストの概要

農業経営費(4845万6000円)を月平均採卵鶏飼養羽数(1万5036羽)で割った1羽当たりの生産コストは前年比5.2%高の3223円(前年3063円)。鶏卵生産量(254.644トン)で割った鶏卵1キロ当たりの生産コストは5.9%高の190円29銭(同179円71銭)。

規模別の鶏卵1キロ当たりの生産コストは、1万羽未満は225円23銭(前年209円12銭)、1万羽以上3万羽未満は216円67銭(同193円35銭)、3万羽以上は167円73銭(同162円28銭)となった。

ブロイラー養鶏

1経営体当たりのブロイラー養鶏(49戸平均、販売羽数10万羽未満9戸、10~20万羽18戸、20万羽以上22戸)のブロイラー販売羽数は前年比5.5%増の25万5167羽、自営農業労働時間は6.6%増の5137時間。

経営全体の畜産収入は3.9%増の1億1915万1000円。このうちブロイラーの収入は3.9%増の1億1913万9000円。

農業経営費の合計は1.7%増の1億705万4000円。このうち飼料費は1.0%増の6659万8000円で全体の62.2%(前年62.6%)、動物費(ひな代含む)は0.1%増の1716万8000円で全体の16.0%(前年16.3%)。この2費目で全体の78.2%(前年78.9%)を占める。

▽生産コストの概要

農業経営費(1億705万4000円)をブロイラー販売羽数(25万5167羽)で割った1羽当たりの生産コストは前年比3.6%安の419円54銭(前年435円21銭)。これを平成30年の食鳥流通統計のブロイラー生体重2.973キロで割った生体1キロ当たりの生産コストは2.6%安の141円11銭(同145円30銭)。

規模別の生体1キロ当たりの生産コストは、年間平均販売羽数10万羽未満は161円36銭(前年156円75銭)、10万羽以上20万羽未満が149円17銭(同149円80銭)、20万羽以上が137円96銭(同142円34銭)となった。