持株会社体制に移行 日本全薬工業のゼノアックグループ

日本全薬工業㈱(福井寿一社長―本社・福島県郡山市)は2月16日、経営の安定化と事業の拡大を図るため、グループ会社全体を2021年度より再編し、持株会社体制に移行すると発表した。

4月1日付で新たに事業持株会社「ゼノアックホールディングス株式会社」(資本金1億円、代表取締役・福井邦顕氏)を設立し、動物薬を主とする日本全薬工業と、人体薬を主とするゼノアックリソース㈱(福井邦顕社長、7月1日付で「ゼノジェンファーマ㈱」に社名変更予定)を完全子会社として傘下に置く。

日本全薬工業は2021年度に創業75周年を迎え、動物薬の国内シェアは1位、世界ランキングでも14位(出典=富士経済〈2020〉、Animal Pharm〈2019〉)に成長。このような会社の規模拡大や、経営判断のスピードと専門性がより強く求められる昨今の動物薬を取り巻く環境で、2021年度からは新たな長期計画「2030プラン」がスタートすることもあり、グループ再編には最適なタイミングだと考えたもの。

ゼノアックリソースは、日本全薬工業が製造している細胞凍結保存液(セルバンカー)の事業に加え、医療機器の開発・販売、バイオ技術導入による新薬候補物質の探索・研究、免疫賦活剤の開発など人体用医薬品関連製品の事業を展開しており、「人体用医薬品関連事業に特化した会社」としてこれら研究の加速・進展を目指す。

グループ経営環境の大きな変化の中で、①柔軟な戦略的提携による「グローバル企業」への漸進②新規事業の早期育成、新市場への進出のための体制構築、事業ポートフォリオの拡充③グループ経営監督と業務執行の分離、ガバナンス体制の強化④グループ経営人材の育成――など、今後グループが持続的に成長するには、グループ全体を俯瞰して限られた経営資源を最適に配分し、事業単位での競争力を強化していく必要があると考え、持株会社制(ホールディングカンパニー制)への移行が適切と判断した。

株式移転承認についての臨時株主総会を3月22日に開き、4月1日にゼノアックホールディングスを新設する。