床面移動ロボット フランスのベンチャーが発売

鶏を追ってネストでの産卵を促すスポートニク

フランスの養鶏機器ベンチャー、ティボー(TIBOT)社が発売した、鶏舎床面を移動する生産性向上支援ロボット『スポートニク(Spoutnic)』が、各国の展示会や養鶏メディアで相次いで紹介されている。

近年は、世界的な畜産現場の人手不足や担い手の高齢化などから、作業の自動化へのニーズが一層高まり、様々な企業が自動化機器の開発を進めている。

ティボー社は、巣外卵に悩んでいたブロイラー種鶏農家が、技術支援機関と協力して2016年に立ち上げた企業。翌年から、家庭用の〝お掃除ロボット〟に似た形状の『スポートニク』の試作を始め、17年に第1号機を発売。昨年秋に新型機『スポートニクNAV』を発売し、昨年11月のポートリー・テック・サミット展や、今年2月のIPPE展(いずれも会場は米国ジョージア州アトランタ)などに出展した。

世界最初の人工衛星のスプートニク(Sputnik)にちなんだ製品名について、同社マーケティングマネージャーのガブリエル・ローレント氏は「養鶏の生産現場に投入される世界最初のロボットであることと、形状が宇宙探査機に似ていることから、相通じるものがあると感じた」と説明。

鶏舎床面を〝休むことなく〟移動し、平飼いの種鶏やブロイラーなどを移動させることで、巣外卵を減らしたり、床面の質や生産成績の向上に役立ったりするとのこと。

同社の試験によると、16日間で巣外卵が26%減少して、平均で1.5%程度となり、孵化率も向上。農場スタッフが鶏舎内を歩く回数が減ったという。