家庭消費増で鶏肉相場は堅調

今年前半の鶏肉相場(日経・東京、正肉加重)は、順調な国内生産もあって春先までは前年を下回って推移したが、4月の緊急事態宣言で外出自粛や飲食店などが営業自粛を余儀なくされたことから、家庭需要が伸び、外食・業務需要が低下した。

家庭用に多く仕向けられていた国産鶏肉の需要が伸び、外食・加工向けが多い輸入鶏肉の需要は減少したため、5月の相場はもも正肉が前年同月比28円高の609円、むね正肉が同27円高の255円となった。6月もこの傾向が続き、もも正肉は同49円高の610円、むね正肉は同31円高の257円と前年を上回って推移している。

今後は、学校給食や外食需要などが4~5月に比べれば増えるとみられるが、完全には戻っておらず、各地の夏祭りや大型イベントの中止、飲食店での「3密」対策営業、インバウンド需要の大幅減などが避けられない中、家庭需要の増加と外食・業務需要の減少は、当面続くとみられる。