家きんの変更案(防疫指針や飼養衛生管理基準など)を検討 家きん疾病小委員会

農林水産省は、5月12日に食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会の家きん疾病小委員会をメールなどを活用して持ち回りで開き、今国会で成立し、4月3日に公布された改正「家畜伝染病予防法(略称・家伝法)」に基づき、7月上旬を目途に改正を目指す①特定家畜伝染病防疫指針の見直し②飼養衛生管理基準の改正③飼養衛生管理指導等指針の策定――の家きんの変更案について検討した。

特定家畜伝染病防疫指針の見直しでは、改正家伝法で新たに『関連事業者の責務の明確化』『都道府県知事の家畜の所有者に対する飼養衛生管理基準の順守についての緊急的な勧告・命令』『野生動物で悪性伝染性疾病の感染が確認された場合における発見場所等の消毒、通行制限、周辺農場等に対する移動制限』の規定が追加されたため、家きんの高病原性・低病原性鳥インフルエンザの発生後速やかに、農場の外縁部と家きん者周囲への消石灰の散布、粘着シートの設置、殺そ剤の散布などの拡散防止措置をするよう明記する。

飼養衛生管理基準の改正では、改正家伝法で『衛生管理区域に入る者のみ、または汚染された畜舎、倉庫等から出る者のみに課されていた消毒義務について、どちらも出入りともに対象となるよう範囲の拡大』『家畜の所有者に対する飼養衛生管理者の選任義務』『まん延防止措置としての飼養衛生管理基準の順守に係る緊急的な勧告・命令の実施』などが規定されたため、これに基づき他畜種にも共通する内容を反映した家きんの飼養衛生管理基準とする。

飼養衛生管理指導等指針の策定では、改正家伝法で飼養衛生管理の指導等に係る指針を国が策定し、都道府県が計画を策定する制度を創設したことから、その内容を反映する。

現段階では、家きん疾病小委員会に示された見直し案の資料が公表されているだけで、各委員の意見概要などは明らかにされていない。農水省では、小委員会の意見と併せて都道府県の意見を聴取し、家畜衛生部会に報告し、答申を得て速やかに改正する予定。