地鶏セミナーを開催 日本食鳥協会がおいしさなどを説明

(一社)日本食鳥協会(佐藤実会長)は9月20日、愛知県岡崎市の自然科学研究機構岡崎コンファレンスセンターで「地鶏セミナー」を開き、全国の関係者ら約100人が出席した【写真右】

近年輸出が増えている香港から招いた視察団への対応で欠席した佐藤会長に代わり、鈴木稔専務理事があいさつし、「地鶏銘柄鶏セミナー」として開いていた同セミナーを今年度から地鶏に特化して開催していくことを報告。地鶏の消費促進活動については、より消費者に対する効果が高い活動とすべく、プロフェッショナル向けのレシピではなく、消費者に直接訴えかけるイベント(ロハスフェスタへの参加、各地での地鶏フェアの開催)などに軸足を移してきていることを説明。大盛況となったロハスフェスタでの比内地鶏や名古屋コーチンのPRのもようなども紹介した。

愛知県農業総合試験場の木野勝敏畜産研究部長が「名古屋コーチン育種改良と試験研究の今後の方向性」、日本獣医生命科学大学の江草愛講師が「地鶏の魅力はどこから来るのか?―おいしさと機能性に関わる要因」について講演。

木野氏は、名古屋コーチンなどの鶏肉の熟成についても詳しく紹介。試験では「熟成3日目以降は変化がみられない」「もも肉の遊離グルタミン酸濃度は0~3日で少し減少。むね肉では3倍程度に増加しているためドリップで流出した可能性も考えられる」「イノシン酸は熟成後の低下が著しく、7日間で3分の1程度に減少した」などの結果が出ていることから、「鶏肉の熟成は3~5日が適当」と考察した。ただ、名古屋コーチンの熟成肉を出している料理店から反論が来たため、実際に同店の専用冷蔵庫で7~10日間熟成(詳細な熟成方法は明かされず)した鶏肉を官能評価したところ、確かに旨みが増していると感じられ、肉色の赤味も強くなっていたことから、「今後、成分値も調査したい」と述べた。

江草氏も、地鶏4鶏種(東京しゃも、名古屋コーチン、比内地鶏、はかた地どり)の官能評価試験結果や、脂肪酸の組成割合、イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)の含有量などの測定試験結果を詳しく紹介した。