前川製作所『トリダス マークⅢ』を商品化

日本ホワイトファーム東北食品工場で稼働開始

㈱前川製作所(前川真社長―本社・東京都江東区)は、このほどチキン骨付きもも肉全自動脱骨ロボット『トリダス マークⅢ』を商品化した。

『トリダス マークⅢ』は、出荷台数が2400台(2022年11月末時点)を超え、国内外の鶏もも肉の脱骨処理工程の自動化に貢献している「トリダスシリーズ」の最新機種として、2019年から開発に着手。これまでに実現してきた人手同等の歩留まりと品質を維持しつつ、『トリダス マークⅡ』では1時間当たり1000本だった処理速度を1200本にまで向上させた。

また、外形寸法を『トリダス マークⅡ』と同等に設計しているため、既存機器との入れ替えや併用にも対応できる。

2022年10月には、日本ホワイトファーム㈱東北食品工場(青森県横浜町)に『トリダス マークⅢ』11台を納入。一部の既存機器と入れ替え、台数を増設する形で設置し、稼働を開始している。

主な特徴は次の通り。

①サイズに合わせた最適カット=骨付きもも肉の全長と膝関節位置の2段階の計測機能により、毎回最適な位置でカットできる。骨肉最終分離機能を改良したことにより、さらに高歩留まりでの処理が可能になった。

②最適調整、メンテナンスの容易化=『トリダス マークⅡ』での実績を基にカット調整を容易化し、交換部品を少なくすることでメンテナンス性を向上させた。

③『トリダス マークⅡ』からの更新も可能=本体の外形寸法が『トリダス マークⅡ』と同等なため、簡単に更新や併用に対応できる。大幅なライン改造が必要ない。

④処理も内部構造も衛生的に=もも肉の投入時以外は人手が介在しないため、衛生的に処理できる。装置内部は温水洗浄、薬品殺菌可能な構造。

処理能力は1時間当たり1200本(原料のチキン骨付きもも肉は1本250~550g)。

外形寸法は長さ1330mm×幅1430mm×高さ2924mm。

前川製作所では「『トリダス』の販売開始から28年が経過し、トリダスシリーズは国内外数多くのお客様に受け入れられ、世界各地の鶏もも肉脱骨工程の自動化を支える製品へと成長した。これからもお客様のニーズを真摯に受け止め、洗浄作業の軽減に寄与する『本体予洗い装置』や、歩留まりの安定に寄与する『カット位置の自動調整機能』などの開発を進めていく。2020年に商品化に成功した『トリダス自動投入ロボットシステム』を組み合わせた提案も可能で、これからも人手同等の処理品質を維持しながら、鶏もも肉脱骨工程の効率化にまい進していく」としている。

問い合わせは同社ロボット&エンジニアリング部門(電03-3642-8966)へ。