保育園やスポーツイベントに卵を寄贈 宮崎県養鶏協会

町や食鳥協とも協力 苦境の中、地域を元気に

あいさつする川南町の日髙昭彦町長

卵を贈呈する(右から)今村彰亨社長、香川智恵子さん、卵を受け取る日髙昭彦町長

(一社)宮崎県養鶏協会(桑畑貴会長)は、このほど同県の川南町役場や(一社)日本食鳥協会九州支部と協力し、町を通じて地域の保育園やスポーツイベントに鶏卵などを寄贈し、卵や鶏肉を子どもたちの成長や地域住民の健康づくりに生かしてもらう活動を始めた。

宮崎県では、県養鶏農協青年部が中心となって「たまごニコニコ大作戦in宮崎大会」を2007年から毎年開催し、卵の正しい知識の普及や一層の消費拡大に取り組んできた。ただ、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、大会の母体の食育・地産地消促進イベント「Karada Good Miyazakiフェスタ」が中止に。

業務・加工用需要も幅広く減退して卵価が大幅に低落し、地域の鶏卵生産者も非常に厳しい状況に置かれていることから、県養鶏協会は(一社)日本養鶏協会の補助事業を活用して新たに「宮崎県養鶏協会鶏卵消費拡大推進事業」を創設。自治体や関連団体と協力し、配達型の鶏卵消費拡大活動を行なうことで、卵の素晴らしさや正しい知識をより広く知ってもらい、消費促進につなげることにしたもの。

同事業は、①地域の市町村役場やJAなどに、鶏卵の現状と正しい知識の普及啓発を行なうとともに予約配達・販売を実施(予算の範囲内で1パック30円を助成)②地域のスポーツイベントなどに卵を贈呈し、鶏卵は素晴らしい栄養素を良好な比率で含んだ完全栄養食品であることをPR(最大5箱〈約50キロ〉までの鶏卵の代金と送料を定額助成)――の2本柱。

最初の活動は、畜産関係産出額が農業全体の70%を占め、コロナ禍の影響も大きく受けている川南町で実施することとし、9月28日には同町内で卵を生産する㈱ミヤポーの今村彰亨社長(県養鶏農協青年部部会長)と、(農)香川ランチの香川憲一代表理事の智恵子夫人、県養鶏協会の古澤邦夫専務理事、県養鶏農協の綾誉文常務理事が町役場を訪問。日髙昭彦町長や畜産担当の役職員、川南町立中央保育所と番野地保育所の先生らと面会し、産地の現状や卵の知識を紹介し、町役場の協力に謝意を表した上で、地域で生産した新鮮な卵2箱(247パック)と、(一社)日本食鳥協会九州支部が準備した鶏肉の知識を紹介した冊子、から揚げ粉などをプレゼント。卵と鶏肉の消費拡大をPRした。

日髙町長は、受け取った卵を保育所の先生に渡し、先生らは「いただいた卵は、給食で園児に食べさせたい」と感謝。生産農家の側からは「鶏卵は国内で高い自給率を占め、昔から値段もほとんど変わらず、生産に励んできたが、このコロナ禍で生産の現状が一変したことについて、川南町長はじめ地域行政に携わる職員の方から理解・協力をいただき、大変うれしく思うとともに、感謝したい」と述べた。

川南町役場では今後、毎週金曜日に職員の注文をまとめ、農家に卵を届けてもらう活動を12月21日まで続けることにしている。