中国の報復関税発表でシカゴ相場急落

シカゴ商品取引所の大豆・トウモロコシ先物相場(期近物)は5月25日以降、下押しが続き、6月28日終値のトウモロコシは前月同日比557セント(約14%)安の3ドル45セント、大豆は同1ドル69セント(約16%安)の8ドル61セントまで下げている。

産地の天候が安定し、豊作が期待されることに加え、特に大豆は米国の関税引き上げに反発する中国が7月6日以降、他の544品目と合わせて25%の追加関税をかけると発表した影響が出ている。

米国は、生産した大豆の3割を中国に輸出している。一方、中国も国際取引される大豆の6割を輸入し、その半分を米国産に依存。米国産大豆から生産した大豆ミールは世界一飼養頭羽数が多い豚や鶏などに給与している。このため、中国による報復関税は、発動すれば両国が多大な損害を被ることから、発動の可能性は低いと考えられてきた。5月19日には、米中両国が追加関税措置の保留を含む共同声明を出したが、6月に入って米国の姿勢が一変。貿易面での報復の応酬が懸念される情勢となっている。

アメリカ大豆協会(ASA)のジョン・ハイスドルファー会長は6月21日付の同協会ニュースで「6月末から約1.5ドル下落し、まだ続落している。1か月も経たずに60億ドル相当の損失が出たことになる。我々は大豆生産者の声を聞くよう、トランプ政権に何度も要請している」とコメントしている。