トウモロコシ供給、前月予想から減少 米国農務省

大豆はさらに増加 2020/21穀物年度

米国農務省(USDA)は7月10日、農産物需給予測月報(WASDE)を公表した。

同月の公表内容は、USDAが主に6月以降に更新した各種の調査結果に基づいている。今秋収穫する2020/21穀物年度(20年9月~21年8月)産の予想供給量は、トウモロコシは前月から大きく下方に、大豆は上方に修正された。新型コロナウイルス感染症の影響による、トウモロコシ由来の燃料用バイオエタノール需要の激減と相場下落、大豆の在庫減などに対応した産地の作付け動向が反映されてきたもの。

トウモロコシ

予想期初在庫は、現在市場に出回っている19/20年度産旧穀の需要減を反映して前年度比2700万ブッシェル増(前月予想比1億4500万ブッシェル減)の22億4800万ブッシェル、今春の作付面積は前年度比230万エーカー増(前月比500万エーカー減)の9200万エーカー、1エーカー当たり予想単収は11.1ブッシェル増(前月比変わらず)の178.5ブッシェル、予想生産量は13億8300万ブッシェル増(前月比9億9500万ブッシェル減)の150億ブッシェル(約3億8102万トン)、期初在庫・輸入量と合わせた予想総供給量は13億9000万ブッシェル増(前月比8億5000万ブッシェル減)の172億7300万ブッシェルとしている。

需要面では、飼料その他向けは前年度比2億5000万ブッシェル増(前月予想比2億ブッシェル減)の58億5000万ブッシェル、輸出量は3億7500万ブッシェル増(前月比変わらず)の21億5000万ブッシェル(約5461万トン)。エタノール向けについては、18/19年度が53億7800万ブッシェルだったのに対し、19/20年度は直近の新型コロナウイルス対策による燃料需要の激減を反映し48億5000万ブッシェル(前月比5000万ブッシェル減)、20/21年度は回復を見込んで52億ブッシェル(前月比変わらず)としている。

これらの需給予測から、20/21年度の期末在庫量は前年度比4億ブッシェル増(前月比6億7500万ブッシェル減)の26億4800万ブッシェル、期末在庫率は前年度比1.6ポイント増(前月比4.4ポイント減)の18.1%。平均農家販売価格は前年度比25セント安(前月比15セント高)の3ドル35セントになると予想している。

大豆

20/21穀物年度の米国産大豆の作付面積は、前年度比770万エーカー増(前月予想比30万エーカー増)の8380万エーカー、1エーカー当たり単収は2.4ブッシェル増(前月比変わらず)の49.8ブッシェル、生産量は5億8300万ブッシェル増(前月比1000万ブッシェル増)の41億3500万ブッシェル(約1億1254万トン)、期初在庫・輸入量と合わせた総供給量は2億9400万ブッシェル増(前月比4500万ブッシェル増)の47億7000万ブッシェルと予想。

需要面では、搾油量は前年度比500万ブッシェル増(前月予想比1500万ブッシェル増)の21億6000万ブッシェル、輸出量は中国の輸入増を見込んで4億ブッシェル増(前月比変わらず)の20億5000万ブッシェル(約5579万トン)。期末在庫量は前年度比1億9500万ブッシェル減(前月比3000万ブッシェル増)の4億2500万ブッシェル、期末在庫率は前年度比約6ポイント減(前月比0.7ポイント増)の9.8%。平均農家販売価格は前年度比5セント安(前月比30セント高)の8ドル50セントと予想している。

世界の大豆需給については、ブラジルの19/20年度の生産量を、直近の高単収を反映して200万トン上方修正し1億2600万トンとした。

大豆ミールについては、20/21年度の世界の生産量が前年度比921万トン増の2億4828万トン、輸出(国際貿易)量が46万トン増の6750万トン。米国の生産量が32万トン増の4624万トン、輸出量が18万トン減の1202万トン、1ショートトン当たりの大豆ミール平均価格が前年度と同じ300ドルになるとしている。

8月3日現在のシカゴのトウモロコシ相場(期近物)は3ドル16セント前後、大豆相場(同)は9ドル03セント前後で推移している。