シリーズ 未来を拓く養鶏家!!③ 愛知のナガイタマゴ

永井隆寛社長。名刺にも、オリジナルTシャツにも「NO EGG, NO LIFE」の文字

多くの採卵養鶏家にとって非常に厳しい低卵価が続く中、明るい未来に向けて頑張る㈱ナガイタマゴの永井隆寛社長(40歳)を訪ねた。

ナガイタマゴは、愛知県田原市の2農場で、成鶏約12万羽を飼養。農場は、渥美半島の伊良湖岬の近くにある。

初生から育雛し、地養素を飼料に加えて生産した卵は、卸経由で中部エリアの消費地に出しているほか、地元の飲食店やパン店にも、ずっと愛用されている。

「常春半島」とも呼ばれるほど、気候は1年を通じて温暖。太古から豊かな海に恵まれ、日本有数の縄文遺跡や貝塚が点在する。現在も、こぶしほどある特大の「岩がき」や「大あさり」が名物だ。サーファーに人気の広い砂浜もあり、昨年はサーフィンの国際大会「ワールドサーフィンゲームス」も開かれた。

3棟のうち2棟は13年に自己資金で更新し、写真の一番左の1棟は16年にクラスター事業を活用して完成した

畑では、砂地を活かしたメロンやキャベツ、電照菊などが特産。畜産も盛んで、鶏やウズラのほか、牛豚の農家も多い。

永井家の養鶏は、隆寛さんの祖父、故・永井新次郎氏が約70年前に、畑作の傍ら始めたもの。経営を引き継いだ父親の永井祥一前社長(70歳)は、国際農業者交流協会(JAEC)の米国研修に参加したり、タイの研修事業に協力して感謝状を受けるなど、早くから海外との交流を持つ一方、販売面では浮利を追わず、時代の需要に合わせて少しずつ規模拡大しながら、取引先との安定した関係を大切にしてきた。

隆寛さんも学生時代は、渥美半島の縄文遺跡を研究していた母方の祖父の影響で考古学に取り組み、大学卒業後は実家の農場で1年間勉強した後、JAECの米国研修に参加。カリフォルニア州で2004年から2年間にわたり、アニマルサイエンス(畜産学)や養鶏場での実技などを学んだ。

(詳しくは本紙をお読みください)