シリーズ 未来を拓く養鶏家!!② 神奈川の鈴保養鶏園

笑顔と声かけで近所の理解を得る

完成したての新看板を持つ鈴木社長㊧と光太郎さん。県道沿いにも設置している

小高い丘にある住宅街で、採卵鶏3万羽とブランド肉用鶏を飼養。自社の直売店を窓口に、「農の恵み」を周辺住民に届ける生産者がいる。連載第2回は神奈川県綾瀬市の㈲鈴保養鶏園(鈴木光雄社長、鈴木光太郎取締役)を訪ね、生き残りをかけた模索の日々を取材した。

鈴保養鶏園のルーツは、戦後のGHQ主導による農地開放にある。鈴木光雄社長(69歳)の父・保さんが綾瀬市の休耕地を国から譲り受け、1955年に畜産と耕種農業を営む鈴保養鶏園を創業。61年からは養鶏に一本化した。

茨城県の㈲スズキファームの鈴木憲一社長は実弟で、兄が綾瀬の農場を継いだ。現在の鈴保養鶏園は社長夫妻に加え、長男の光太郎さん(42歳)夫妻らが経営。社長の三女でパティシエの麻理さんが洋菓子作りに腕を振るい、計20人で農場、GPセンター、直売店の仕事を回す。

2013年に建てたモダンな直売店と鶏舎の隣には、戸建て住宅が立ち並ぶ

梅雨の合間に訪ねると、光太郎さんは市内のゴルフ場への配達を終えたところ。景品として卵が好評だそうで、汗をぬぐいながら「この厳しい相場では、素直な商売をしていてはダメ。いまの取引先を大事にしつつ、新たな販路も拓き、直売比率を高めるしかない」。

(詳しくは本紙をお読みください)