キユーピー・キユーピータマゴに食料産業局長賞 第7回食品産業もったいない大賞

紀州ほそ川に審査委員長賞

(公財)食品等流通合理化促進機構(馬場久萬男会長)は12月25日、第7回「食品産業もったいない大賞」の農林水産大臣賞(1点)、農林水産省食料産業局長賞(3点)、食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞(5点)の受賞者を発表した。

同大賞では、食品産業の持続可能な発展に向けて、地球温暖化・省エネルギー対策の一環でもある「省エネルギー・CO2削減」「廃棄物の削減・再生利用」「教育・普及」などの観点から顕著な実績を挙げている食品関連事業者や、食品産業の取り組みを促進・支援している企業・団体・個人を表彰している。今回は石川県立翠星高校が〝農業の未来を変える「廃棄果皮0(ゼロ)システム」の構築と普及〟で農林水産大臣賞を受賞した。

本紙関係では、キユーピー㈱(東京都渋谷区)とキユーピータマゴ㈱(東京都調布市)が〝未利用資源としての卵殻および卵殻膜の価値探求と食と健康への貢献〟で農林水産省食料産業局長賞を受賞。

年間約25万トンの鶏卵(日本の鶏卵使用量の約10%)を使用する会社として、廃棄される卵殻・卵殻膜(約2.8万トン/年)の有効活用を目的に、卵殻を活用した肥料(米の硬さ・粘りなどを向上)や、卵殻カルシウムを使用したカルシウム強化食品、独自技術により卵殻から分離させた卵殻膜を活用した化粧品材料(アンチエイジングに有効なⅢ型コラーゲン)などを開発・販売し、そのままでは産業廃棄物となる卵殻・卵殻膜の100%有効活用と高付加価値化を実現した。

㈱紀州ほそ川(和歌山県みなべ町)は〝畜産物のブランド化をもたらした未利用資源「梅酢」の活用〟で食品産業もったいない大賞審査委員会審査委員長賞を受賞。

梅干し製造過程の副産物「梅酢」の未利用分は産業廃棄物として処分されていたが、「鶏に梅酢を飲ませたら夏バテしない」との話をヒントに鶏へのえ付け実験を開始。塩分を取り除いた梅酢飼料が鶏の生存率向上と、鶏肉・鶏卵の品質向上につながるとの成果を得たことから、梅酢を近隣農家から有価回収し、減塩濃縮した梅酢飼料(紀州梅そだち)を生産・販売するとともに、同飼料を与えた鶏(ブロイラー)を「紀州うめどり」、採卵鶏の卵を「紀州うめたまご」としてブランド化し、廃棄されていた梅酢の有効活用と産業廃棄物の削減を実現した。

表彰式と事例発表会は2月6日午後1時から、東京都千代田区の内幸町ホールで開かれる。