キユーピーが「たまご白書2020」を公表

卵を「おいしくて調理しやすい」たんぱく質として摂取

 

キユーピー㈱(本社・東京都渋谷区)は、グループ会社のキユーピータマゴ㈱(本社・東京都調布市)と共に、卵に関するアンケート調査を実施し、11月5日の『いいたまごの日』に合わせて「たまご白書2020」として公表した。

調査は、卵に対する認識や食べ方、トレンドの分析を通じて卵の正しい知識の啓発や卵料理の楽しみ方の提案につなげるため、全国の20~69歳の男女2060人を対象にインターネットを通じて実施(複数回答可)したもので、今年で4回目。第1章「卵の購入・使用実態・好意度」、第2章「卵を使った料理・スイーツの購入・喫食実態」、第3章「たんぱく質に対する意識」に、今回は第4章「新型コロナウイルス拡大前後の変化」を加えている。主な概要は次の通り。

卵の購入・使用実態・好意度

卵の1週間の平均購入個数は6.2個(前年6.3個)と横ばい。

購入場所はスーパーマーケットが91.0%(同92.5%)と突出して高く、2位はドラッグストアの17.1%(同17.3%)で大きな変化はない。宅配サービス、ネットスーパー、通販などは微増。コロナ拡大以前に比べ、宅配サービス、ネットスーパーなどの利用(卵の購入に限らない)が増えた人は14%、減った人は12%であった。性年代別にみると、宅配サービスを購入する割合は女性の40代、60代で高い。

卵購入時の重視点は、「価格」が68.8%と最も高いが、前年比では2.8ポイント減。次いで「国産であること」45.0%、「賞味期限」44.9%、「卵のサイズ」40.7%、「入り個数」30.5%、「鮮度」21.6%、「殻の色」16.0%、「黄身の色」13.9%、「生産者・生産場所が明確であること」11.7%などと続く。卵購入時の決め手は「価格」が40.4%と最も高く、「卵のサイズ」が経年で増加傾向にある。

卵の1日の喫食個数は0.7個、食べたい個数は1.1個で、前年と同様に「食べたい個数」が多い。

喫食個数を制限している理由としては「血中のコレステロール値が高まりそう」が17.9%と、前年同様最も高い。次いで「自分で調理しない」「調理が面倒」など調理の項目が上位で、特に男性では「調理しないこと」が喫食個数の少ない理由になっている。

卵の1日の上限喫食個数については「卵は1日に1個まで」と思う人は60.5%、「1日に2個以上食べてもよい」と思う人は半数以下となっている。

卵に対するイメージは「手軽に食べられる」「様々な料理に使用できる」「栄養価が高い」「おいしい」が50%以上で、〝手軽で便利な食材〟のイメージが形成されている。しかし「おいしい」イメージは経年で減少傾向。一方、「コレステロールが高く、体によくない」イメージを持つ人も11.3%と一定数存在し、実際に「コレステロール」は卵の喫食個数を控えている理由として上位に挙がっている。

卵をどの程度好きかの「好意度」調査では「とても好き」(43.9%)と「やや好き」(43.2%)を合わせると87.2%で前年同様に高い。職業別では、専業主婦の「とても好き」が51.0%と高く、前年(42.3%)より増加している。

卵が好きな理由では、全体でみると「おいしいから」が67.9%と最も高いが微減傾向。次いで「様々な料理に使えて便利だから」が53.7%、「調理が簡単だから(手軽に食べられるから)」が45.6%、「栄養価が高いから」が42.3%で、以下「どこでも売っていて手軽に買えるから」「価格が安いから」「健康にいいから」「料理の見栄えが良くなるから」「卵の形・料理がかわいいから」と続く。「とても好き」と回答した専業主婦では「様々な料理に使えて便利」「栄養価が高い」が全体に比べて特に高く、前年からも増加した。

卵を使った際に感じるストレスの調査では「不満・ストレスは感じない」が29.8%で前年と横ばい。6割以上の人が何らかのストレスを感じているが、その内訳は「割れやすいこと」35.4%、「(殻などの)ゴミが出ること」21.4%、「賞味期限が短いこと」20.2%が20%を超え、以下「衛生面で心配がある」「保管がかさばること」「手が汚れること」「手間がかかる(割る・混ぜる・殻を処理する)こと」などとなっている。

卵料理・スイーツの購入・喫食実態

卵料理は1週間に平均3.8回食べられており前年から横ばい。ほぼ毎日食べている人の割合は29.9%で前年(29.5%)よりやや増加した。

新型コロナウイルス感染症の拡大前後で、卵料理の喫食頻度の変化については「変わらない」が76.9%と大半を占めたものの、喫食頻度が増えた人も19.1%と一定数存在し、性年代別では特に女性の20~40代で増えた人が多い。

好きな卵料理は「目玉焼き」「オムライス」「ゆで卵」「炒飯」「卵かけごはん」「親子丼」が60%以上で高く、上位の顔ぶれは前年と同じ。「目玉焼き」「ゆで卵」など卵そのものの風味が分かる卵料理は、性別問わず20~30代より40~60代で好まれている。

よく食べる卵料理は「目玉焼き」「ゆで卵」が50%以上で、共通点は好きな卵料理で上位であることと、調理が比較的簡単であること。年代別では、女性の40~60代で様々な卵料理を食べている。

1年以内に作った卵料理は「目玉焼き」57.6%、「ゆで卵」51.7%、「卵かけごはん」45.2%、「炒飯」43.7%などで、どの卵料理も作っていない人は11.8%。20代では性別を問わず、簡単な料理を作らない傾向が強まっている。

卵料理の購入場所は、どの料理も「家で作る」最も多いが、中食利用者が多い卵料理は、前年同様「卵サンド」で48.5%、「温泉卵」30.8%、「茶わん蒸し(卵豆腐含む)」29.8%、「丼もの(かつ丼、親子丼含む)」29.7%、「卵サラダ」23.4%、「カルボラーナ」22.5%、「炒飯」20.9%が上位。卵サンドはコンビニでの購入が多いが、温泉卵、茶わん蒸し、丼ものはスーパーや百貨店(総菜売場)での購入が多い。

卵料理の中食利用は「自分でおいしく作れる」「料理の手間を許容できるか」どうかが、利用と非利用の分かれ目になっている。

好きなスイーツは「プリン」「チーズケーキ」「シュークリーム」が60%以上で前年同様上位。よく食べるスイーツもこの3つが上位。これらは中食が主で、1年以内に作ったスイーツは「パンケーキ」が28.4%と前年同様最も高く、次いで「フレンチトースト」が21.0%などであった。

スイーツの中食利用率は、ほとんどが前年と横ばいで、「シュークリーム・エクレア」「プリン」が80%前後で高い。購入場所では、全体的に「スーパー」が微減し、「コンビニ」が微増。

小学生以下の子どもや孫が好きな卵料理・スイーツは前年通り「オムレツ(オムライス含む)」が40%以上と高い。オムレツ、プリンは大人でも上位に挙がっており、好みは世代を問わないといえる。

たんぱく質に対する意識

たんぱく質を意識して摂っている人は67.3%(前年66.7%)で横ばい。たんぱく源として食べる食材は「肉」が最も高く、次いで「卵」。卵はたんぱく質が豊富なイメージが形成されているといえる。

各食材の摂取理由としては「おいしいから」が突出して高い。たんぱく源として卵を摂取する理由は「おいしいから」が最も多く55.5%。次いで「調理しやすいから」が37.2%。

新型コロナウイルス拡大前後の変化

新型コロナウイルス拡大前後の行動変化として大きいものは「家にいる時間が増えた」が66.8%、「家で料理することが増えた」が47.3%、「健康に対する意識が高まった」が42.7%などとなった。

卵料理に関しては、作る頻度・食べる頻度ともに「変わらない」が80%弱で、「作る頻度が増えた」は18.4%、「食べる頻度が増えた」は19.1%であった。性年代別には、女性の20~40代で「卵料理を作る、食べる頻度が増えた」割合が大きい。また、女性20~30代で「プチ贅沢品を買うことが増えた・買いたい気持ちが強まった」割合が大きく、女性60代は「健康」に対する意識や、健康を食事で維持したい気持ちが高まり、食品購入時は「価格よりも品質を重視」するようになったとしている。

さらに、全体では「外食することが減った」は61・5%だが、性別では男性が52.1%、女性が70.9%で、女性の割合が高い。

「卵料理を食べる・作る頻度が増えた理由は「簡単に料理に使用できるから」が48.6%、「おいしいから」が43.6%、「様々な料理に使用できるから」が39.7%など、料理に便利なことが上位になった。性年代別でみると、女性の50~60代では、料理に便利なことと同程度に「栄養価が高い」「良質なたんぱく質が摂れる」ことが頻度増加の理由になっている。

卵に対するイメージについて、健康志向が高まった人や、食事で健康を維持したい意識が高まった人は、特に「栄養価が高い」「良質なたんぱく質が摂れる」「健康に良い」などのイメージが形成されていることが分かった。