エクアドルのカカオ産業に貢献 シンメイのトレーサビリティ技術

㈱シンメイ(吉井貞夫社長―本社・東京都中央区)が計画する「エクアドル国におけるトレーサビリティプリンティングシステムによるカカオの高付加価値化」が、このほど(独)国際協力機構(JICA)が公募する「中小企業・SDGsビジネス支援事業」(2020年度第1回)の案件化調査(中小企業支援型)に採択された。

中小企業・SDGsビジネス支援事業は、JICAが実施する民間企業などの海外展開を支援する提案型の委託事業。

今回採択された事業では、昨年度に実施されたJICAの「中南米地域広域フードバリューチェーン強化における本邦技術活用のための情報収集・確認調査」の成果を基に、シンメイの「トレーサビリティプリンティングシステム」の技術でカカオ・バリューチェーンの生産・品質向上に貢献するために、現地のパートナーと具体的な事業を展開する。同社は6月26日に、エクアドルの産業貿易投資漁業省(MPCEIP)、カカオ輸出協会(ANECACAO)とトレーサビリティによるカカオ産業の振興に関するプロジェクトで協力関係を締結している。

シンメイの「トレーサビリティプリンティングシステム」は、熱によって軟包材に直接印字ができる特殊プリンター「ダイレクトサーマルプリンタ」、ラベルに印字して包材や製品に貼り付ける「ラベルプリンタ」、ICタグ(RFID)、クラウドシステムなどで構成。エクアドルのカカオ産業へのシステム提供と機器販売でビジネス展開を図り、カカオ・フードバリューチェーンの安全性、情報の信頼性、業務効率性などの向上を通じて、カカオ産業の振興・高付加価値化、エクアドルの小規模農家の収入増(格差是正)、加工・輸出産業の多角化への貢献を目指す。

同社は鶏卵GPセンター向けのチェックプリンター・ラベラーをはじめ、印字や表示にかかわる工程の自動化・省力化で幅広い業界に貢献している。