イセ食品と東大附属牧場の共同研究試験鶏舎が完成

東京大学とイセ食品の共同研究試験鶏舎

イセ食品㈱(佐藤七夫社長―東京本部・東京都千代田区)と東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場(略称・東大附属牧場、牧場長=桑原正貴教授、茨城県笠間市)は今年2月に、採卵鶏の生産性と鶏卵の品質向上を目指し、次世代養鶏技術の開発に関する共同研究契約を締結。これに基づく試験鶏舎が東大附属牧場内に完成したことから、同牧場一般公開デーの10月27日に披露した。

試験鶏舎(1棟)は、通常ケージ、エンリッチドケージ、エイビアリーシステム、学生実習用ケージの4つのエリアに仕切られている。また、試験スペース以外に、飼料混合(撹拌)室や作業用服着替え室がある。

共同研究は3年間で、イセ食品が試験鶏舎を建設し、採卵鶏と飼料を無償提供する。東大附属牧場は、これまでは鶏舎がなく、鶏に触れることができなかったが、新鶏舎の完成によって鶏の研究機会の不足を解消。約500羽の採卵鶏を飼育して、アニマルウェルフェアに配慮した環境下の鶏の生産性と、卵の安全・安心・品質への影響などを検証する。

さらに、特定栄養成分を高めた飼料給餌によるアスリート・妊婦向け新商品の開発や、飼養環境が鶏に及ぼすストレスレベルの影響、鶏糞の臭気対策の課題などについても研究し、将来の畜産業界を担う研究と専門家の育成を図る。

お披露目式には、イセ食品の佐藤社長やイセたまご研究所の島崎弘幸所長、東大附属牧場の桑原牧場長、東京大学大学院農学生命科学研究科長の丹下健農学部長、中山裕之附属動物医療センター長らも出席し、「世界へ向けて発信できる研究成果」に期待を寄せた。