ふん尿処理の基本方針を議論 農政審・畜産部会

家畜改良増殖目標も検討へ

農林水産省は11月18日に、食料・農業・農村政策審議会の畜産部会を開き、酪農と肉用牛生産の近代化を図るための基本方針に関する意見交換を行なった。この中で、養鶏関係の議題は特になかったが、畜産全般にかかわる家畜排せつ物法(家畜排せつ物の管理の適正化および利用の促進に関する法律)に基づく、ふん尿処理の基本方針の策定については議論した。

現行の家畜排せつ物法による基本方針は平成27年3月に策定し、①家畜排せつ物の堆肥利用の推進②家畜排せつ物のエネルギー利用の推進③畜産環境問題への対応④その他の利用促進の重要事項――について定めている。

今後のスケジュールについては、有識者や専門家との意見交換を経て、令和2年2月に畜産部会へ骨子案、3月に同部会へ見直し案をそれぞれ説明して協議。4月に新たな基本方針を公表するとともに、都道府県への説明と、都道府県計画の作成依頼、関係者への啓発と関連情報の提供を行なっていく予定。

また、新たな家畜改良増殖目標(第11次、乳用牛、肉用牛、豚、鶏、馬、めん羊、山羊)の検討状況も事務局から報告された。今後の予定では乳用牛・肉用牛・豚・鶏については、令和2年1月ごろに各畜種別検討会で骨子案を策定し、畜産部会で審議後、パブリックコメントを経て、改良増殖目標(本文)を取りまとめる予定。

鶏の改良目標案の主な方向性のポイントとしては、卵用鶏の「卵重量」は、消費者ニーズを踏まえながら「幅を持たせた目標値」を設定する。ブロイラーでは、目標数値に、これまでは参考として掲げられていた「出荷日齢」にかかわる指数を追加する予定。また、飼養・衛生管理では、「飼料用米で飼養した鶏の糞を米農家に還元するなど、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮した取り組みについて、JAS制度を活用したPRを検討する」ことなどを示している。