はばたく中小企業・小規模事業者300社 岡田製作所、ひよこカンパニー、山田鶏卵など入選

中小企業庁は6月4日、ITサービスの導入や海外展開、インバウンド対応、多様な人材活用など様々な分野で活躍している「はばたく中小企業・小規模事業者300社」の今年の選定企業を発表した。

本紙関係では、堆肥化技術だけでなくバイオガスのメタン発酵・発電装置なども手掛け、東南アジアでも事業展開している㈱岡田製作所(鈴木郁男社長―本社・群馬県館林市)、放し飼い鶏の高付加価値卵「天美卵」の生産や年間35万人以上が訪れる売店兼レストラン「大江ノ郷ヴィレッジ」で高度な6次産業化を実現している㈲ひよこカンパニー(小原利一郎社長―本社・鳥取県八頭郡八頭町)、自社卵を扱うカフェ「ufu uhu garden」や憩いの場「ufu uhu FARM」、さらに米沢市の中心市街地にオープンした飲食店「BANK BOOK BAR」などの多角化経営を進め、女性も大いに活躍する㈱山田鶏卵(山田浩樹社長―本社・山形県米沢市)などが選ばれた。

受賞企業の代表者らは同日に、東京都千代田区の経済産業省で開かれた受賞式に出席。世耕弘成経済産業大臣から表彰状や、川口市の鋳物工場で製作された記念の盾などが手渡された。

ごみ問題解決へ東南アジア事業に注力 岡田製作所

フィリピンのレガスピでごみ問題解決に向け活躍する岡田製作所の堆肥発酵撹拌処理プラント

岡田製作所は創業以来60年以上にわたり、プラントメーカーとして鶏ふんをはじめとした有機物の堆肥化や資源循環に取り組んでいるが、近年は世界に比べ進んでいる日本の堆肥化技術を、東南アジアの深刻なごみ問題の解決に役立てようとしている。

フィリピンでは(独)国際協力機構(JICA)の「普及・実証事業」の採択を受け、ルソン島南東部のレガスピで日量10トンの生ごみを処理できる施設を設置。昨年8月には現地法人も設立した。

ベトナムでも同国南部の最大都市、ホーチミン市近郊の肥料会社と協力してプラントを建設する予定。マレーシアでも事業計画を進めている。ベトナムでは、肥料としての鶏ふんの使用が禁止されたとのことで、これに代わる有機肥料の需要が高まっているという。

国内でも、近年は栃木県茂木町の有機物リサイクルセンター「美土里館」の高品質堆肥発酵撹拌処理プラントの導入実績などを背景に、堆肥コンサルタントとして資源活用のアドバイスなども実施。社内には製品メンテナンス要員が約10人常駐し、顧客の要望にも可能な限り迅速かつフレキシブルに対応している。

鈴木社長は「創意工夫を信条に地球環境にやさしいすぐれた製品で社会に貢献する」の経営理念の通り、また国内トップシェアの堆肥化プラントメーカーとして、今後も環境問題には一層、真剣に取り組んでいくとしている。