「はかた一番どり」20周年を祝う

県内指定施設がワンチーム おいしい鶏肉提供

はかた一番どりの料理を撮影する参加者。会場内には、あらいが販売する加工品の展示コーナーも

はかた一番どり推進協議会(会長=古賀光幸㈱久留米孵卵場社長)は2月20日、福岡市中央区の西鉄グランドホテルで『はかた一番どり20周年記念フェア』を開き、取引先の経営者やバイヤー、福岡県の関係者ら約100人が出席して節目の年を祝った。

県が1999年に開発した『はかた一番どり』は、在来種の横斑プリマスロック(通称=さざなみ)をもとに雄系の改良種を作出し、これに雌系のホワイトプリマスロックを交配させた銘柄鶏。久留米孵卵場が素ひなを供給し、県内7農場が約60日かけて肥育、㈱あらいが年間約60万羽を処理・加工するなど、全工程を県内の指定施設で行なうことが特徴。

記念フェアで古賀会長は「皆様のおかげで福岡生まれ、福岡育ちのはかた一番どりが20周年を迎えられた。福岡には鶏の食文化が根付くが、深みのある味と、ほど良い歯ごたえが支持されて定着できたと思う。安全・安心でおいしい鶏肉を提供するため、生産者と各社がワンチームとなり、一貫生産体制を作り上げてきた。生産は年間60万羽前後で安定し、累計出荷羽数は1000万羽を超えている」とあいさつ。

さらに、取引先や消費者からの信頼を高めようと2006年にトレーサビリティーシステムを構築し、19年には処理場でHACCP基準に沿った衛生管理手順を導入したことを紹介。この10年間に県内の小学生3500人以上を対象に実施し、今年も約800人を予定している食育活動の取り組みにも触れ「未来を担う子どもたちに出前授業を実施している。鶏の講話に始まり、ヒナが孵化する過程の観察、ヒヨコとの触れ合い、丸どりの解体などを行なってきた。鶏の一生を通じて、命をいただく心や、食の大切さを伝える活動内容が評価され、昨年は農水省主催の食育活動表彰で(消費・安全局長賞を)受賞し、活動の励みになっている」などと述べた。

自らも開発を担当した県農林水産部畜産課の前田統幸参事が、議会対応で欠席とした永末誠二課長の祝辞を代読。県としても、一層の振興に努めていくとの姿勢を示した。

食肉加工品を製造する日本食品㈱の柿本憲治社長もお祝いを述べ、「私と新井さん(新井眞一あらい相談役)は旧知の間柄だが、はかた一番どりは『手軽な価格で非常においしい』とのコンセプト通りに、本当に素晴らしく成長された」と称えた。

大森礼仁ヤマエ久野㈱社長、藤嶋照夫伊藤忠飼料㈱社長、木村友彦MPアグロ㈱社長、海老原幸浩㈱九州ミタカ社長、種子野章ワクチノーバ㈱社長らの祝電が紹介され、久留米孵卵場の古賀宣彦常務がスライドを用いて20年の歩みと今後の方針を説明。

古賀常務は、多くの銘柄鶏や地鶏がある中で、はかた一番どりを選んでもらうためには①博多の誇(ほこり)②育てる想い③食への責任④職人が認める味――の4つのキーワードが重要になると指摘。これらの意味について「福岡は黒田藩のお膝元で、その養鶏振興によって多くの鳥料理が生まれた。私たちは鶏肉と、鶏肉好きの福岡の人たちを誇りに思って生産を続ける。そして、どんな人がどんな想いで鶏を育てているか。生産に関わる人の魅力もしっかり紹介していく。食への責任については、八女茶入りの専用飼料から飼育管理プログラム、工場での衛生管理まで、一つひとつの基準を大切に商品を届けていくということ。職人が認めるおいしさの理由は、さざなみの血を引くことや、約60日の飼育日数、そして鮮度など。これらの魅力を改めて伝えていきたい」などとした。

続いて田川農場の添田強場長が、同農場が新たにチャレンジしている無薬飼育の苦労とやりがいについて発表。西鉄グランドホテルの菊池貴寛総料理長は、記念フェアのために調理したはかた一番どりの和・洋・中の各メニュー17品を解説した。

愛され、親しまれるブランドを目指す

祝宴前には新井誠副会長(あらい社長)が「本日ご出席の皆様はもちろん、それ以外の方々の力添えもあって20周年を迎えることができた。はかた一番どりを一人でも多くの消費者に届け、福岡県の代表として愛され、親しまれるブランドに発展させられるように努めていく。皆様には一層のご鞭撻を改めてお願いしたい。はかた一番どりは非常においしくヘルシーなため、様々な料理を楽しんでいただければ」と述べ、同氏による発声で乾杯。参加者は料理を撮影・試食し、シェフへの質問を通じて商品開発のヒントなどを得た。

歓談中、久留米市の道の駅関係者からは「一定数のファンがいるため、各部位が売り切れないように仕入れている。一度良いものを食べると、それを続ける消費者もいる。今後は道の駅での食育イベントも検討している」との声が聞かれ、福岡市の食鳥専門店からは「国産若どりよりも(100グラム当たり)100円程度高く設定しているが、地元産ということもあり、各ブランドの中で一番売れている」との評価も。

同協議会に加盟するJA北九州くみあい飼料㈱東部支店の小野憲治副支店長が「記念フェアを励みに、はかた一番どりが地域に根差し、さらなるご愛顧をいただけるよう精進したい」と閉会の辞を述べ、万歳三唱して散会。

フェアを終えた古賀会長は今後のビジョンについて「単純に増やせば良いのではなく、福岡県の場合は、鶏ふんの行き先の問題もある。需要に見合った生産を心掛け、当面は年間70万羽の生産体制を目指していく」と話していた。